コンマ数ミリの世界。
大工の道を歩んできた人生。
尊厳と誇りを胸に。
大きな暖かい手。
確実に丁寧につくる。
機械やコンピューターにはない想いが込もる。
家づくりは、たくさんの人の手によってつくられます。
それゆえ、職人さんの腕の良し悪しで完成度が大きく変わります。
今回は「大工さん」についてご紹介します。
「一人前の大工」になるには、大工職人に弟子入りしたり、工務店で大工見習いとして技術を身に付けます。
一人前の大工職人になるために、少なくとも5年程は学ぶことになります。
その修行の間は、雑用係のようなもので、重たい荷物を運んだり、掃除をしたり・・。
大工の仕事内容は、柱や梁の組立てはもちろん、ボード張りや断熱材の施工など、工程がとても多く複雑です。
親方の仕事を目で覚えたり、周囲の大工さんに聞いたり、本を読んだりして技術力を培っていきますが、中には、技術力が備わってきていても、和室や階段など家の重要な部分は触らしてくれない親方もいたりします。
そんな苦しい経験を乗り越えて、やっと一人前の大工として働けるようになります。
大工さんの作業台です |
しかし、現在は建築技術が進み、機械を使用するので、大工として修行をしていない人でも、一般的な新築住宅は簡単に家が建てられるようになりました。
完成度が低くても、建築基準法にさえ引っかからなければ住宅として認可されます。
そのため、「このくらいやっとけば大丈夫」と、ぎりぎりのラインで仕事をする大工さんが多いのです。
そのため、「このくらいやっとけば大丈夫」と、ぎりぎりのラインで仕事をする大工さんが多いのです。
仕上げ面の位置の墨出しです |
本来ならば、1mmのくるいも許されな大工の世界。
リノベーションやリフォーム、増築工事は‟ホンモノ”の大工職人にしか出来ません。
大工職人は、価値のある貴重な財産であり、良い家づくりにはなくてはならない大切な存在です。